サマーコースの序盤戦を終えて

2014年8月1日

 室内楽短期セミナーが終わった。今日の午後はつかの間の休みで、よく練習し、よく眠り、よく食べた。明日は、午前中からサマーコンサートの最後のリハーサルである。
 セミナーは、参加者が4人に減ってしまったことで、私はずいぶん寂しい思いをしたが、それはそれで、始まってみれば、一人一人のレッスンを長くし、美寧子も私も、より深く受講者と関わってアドバイスを送ることができた。その結果として、今日の修了演奏会は、例年にも増して音楽的レベルの高いものとなった。一人を除いて初参加の人ばかりだったが、私たちの意図をよく理解し、皆で良いアンサンブル作りを求めてくれたのは、主宰者の一人として大変嬉しいことだった。
 さて、日曜日にはサマーコース受講の12人が到着する。こちらはセミナーと違って年齢が低く、全員がヴァイオリンを学んでいるものの、それぞれが目指すところはかなり異なっている。小学4年生から、高校受験、大学受験、さらに社会人として経験を深めたい人など、さまざまである。近々コンクールを受けるという人も3人いるが、すべて異なったコンクールだから課題曲も違うし、目指すレベルも同じではない。一人一人がここで何かを得た、と実感してもらえる日々を提供することが、主宰者の仕事だと思っている。
 セミナーの間は夜のテレビニュースを聴く余裕があるが、コースの期間中はほとんどラジオもテレビも聴かなくなる。自分のことは後回しにし、絶えず参加者たちのことを考えて過ごす、それだけが私にできることだ。頭の回転がゆっくりだから、いつも考えていなければならないのだと思うが、それこそ入浴中も、その日のレッスンについて反省したり、明日はどのようにやろうかと考えたりするものだから、どうしても眠りが浅くなる。だが、それをやり過ぎるとレッスン中に眠くなるので、今年はほどほどに脳の力を抜くことを心がけようと思う。
 最近は、ヨガをかじっている影響か、そうした力の抜き方が昔より少しは上手になったような気がする。私が楽しく過ごせば、きっと参加者たちも楽しくなって、音楽の交流がよりスムーズなものになるのだろう。とにかく、「神仏が守ってくれる」と信じて、自分らしく伸びやかに、この1週間を過ごしたいものである。