ホームページのリニューアルに当たって

2013年1月17日

 1997年に、元のマネージャーだった藪田益資さんから強く勧められたのが、ホームページを開設したきっかけだった。当時の私は、まだスクリーンリーダーを使ってインターネットのページを読むことができず、従ってホームページ作りにもあまり熱心ではなかったが、一度藪田さんのお話を伺おうと、妻と共にオフィスをお訪ねして、当時はまだ珍しかった音楽家のホームページを見せていただいた。クリックするだけでいろいろな情報が表示されたり、音楽まで聴くことができて、私はすっかり興奮してしまった。
 同じ頃、IBM社が「ホームページリーダー」という視覚障害者のための音声ブラウザーを発表し、私はたちまち飛びついて、インターネットの虜になった。間もなくエム・シー・エス社の手で私のページが作られた。しかし、私には自分でそれを管理することができないし、妻もインターネットは全くやっていなかったので、専ら私がデータを送って会社に更新していただく、という方法で運営していた。
 唯一の例外は「日記ページ」だった。自分で何もできないのではつまらないと思い、担当者を煩わせてHTMLファイルのひな形を作ってもらった。そこの「タイトル」や「本文」の部分を書き換えて、FTPソフトでアップロードする、という方法で、1999年の秋から「日記」を書き始めた。
 最近は、ツイッターやフェイスブックにも書き込みをするので忙しく、こちらはどうもお留守になりがちだ。最初は年間40本以上書いていたものが、今は年間15本から20本程度になってしまった。それでも、なんとか細々と続けてきたのである。
 そのエム・シー・エスで、現在私のページの運営を担当してくださっていたSさんが、昨年の夏、自動車事故で不慮の死を遂げられた。思いも寄らない出来事に、私は凍り付く思いだったが、冷静さを取り戻すと「ホームページをどうするか」が重く心にのしかかった。そこで、視覚障害者のパソコン利用をサポートしているラビットの荒川社長に相談し、今後のページの運営をラビット社で引き受けていただくことになった。さらに今回、なずな社の坂井社長にも協力していただいて、新しいホームページを立ち上げることとなった。
 今度は、今までとは全く違うプログラムを使ってページを構築するため、データの移動や書き換えはかなり大きな仕事になってしまったようだ。坂井さんは、年末年始の多忙な時期に、頑張ってかなりのスピードでその作業をしてくださった。さらに、私や美寧子の求めに応じて細かい修正を加え、今日の「公開」となった。
 これからは、日記以外のページも、私や美寧子の手でより容易に更新できるので、もっと頻繁に新しい情報をアップし、楽しいページにしてゆきたいと思っている。それが計画倒れにならないよう、自分自身の生活も活性化させて、希望や夢のある毎日を過ごせるようにしたいものである。