第20回 和波たかよし クリスマス・バッハシリーズ

2011年12月23日

ちらしちらし第20回 和波たかよし クリスマス・バッハシリーズ
無伴奏ヴァイオリン作品全曲
2011年 12月23日(金・祝) 午後3時
東京文化会館小ホール
Takayoshi Wanami Christmas Bach Series XX
Fri., 23 Dec. 2011 at 3,00 p.m.
Tokyo Bunkakaikan Recital Hall

全指定席 ¥5000
終演後ロビーでワイン付きレセプションがあります

主催:AMATI

◎ヨハン・セバスティアン・バッハ
無伴奏ヴァイオリンソナタ 第1番 ト短調 BWV1001
無伴奏ヴァイオリンパルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002
無伴奏ヴァイオリンソナタ 第2番 イ短調 BWV1003
無伴奏ヴァイオリンパルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004
無伴奏ヴァイオリンソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005
無伴奏ヴァイオリンパルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006

Johann Sebastian Bach
Sonata no.1 for violin solo in g minor BWV1001
Partita no.1 for violin solo in b minor BWV1002
Sonata no.2 for violin solo in a minor BWV1003
Partita no.2 for violin solo in d Minor BWV1004
Sonata no.3 for violin solo in C Major BWV1005
Partita no.3 for violin solo in E Major BWV1006

20回の節目に無伴奏作晶全曲を

和波たかよし


1991年にパッハの無伴奏作品3曲の演奏でスタートしたこのシリーズが、途中1年の休みをいただいただけで毎年続けてこられたのは、私のパッハを愛好してくださる多くのお客様の支えがあったお陰に他なりません。20回という大きな節目を迎えることのできた幸せをかみしめ、今改めて皆様に心からお礼を申し上げます。

ところで、昨年のこのシリーズには鍵盤楽器奏者の武久源造氏を迎え、選曲と演奏の両面に新風が吹き込まれました。無伴奏を弾く機会の多いこのシリーズに個性豊かな共演者を得たことで、私は大きな刺激を受け、自分の演奏の幅を広げることができたと実感したのでした。

そうした経験を踏まえて、今年の春にはバッハの無伴奏作品全曲のCD録音を18年ぶりに行いました。これまでの「バッハシリーズ」で無伴奏作品を繰り返し演奏する中で、私はさまざな発見をし、同時に迷いや行き詰まりも経験しました。バロックバイオリンに活路を見いだした時期を経て、今はまた通常の楽器による演奏に戻っています。現在の私のバッハは一つの通過点にすぎませんが、バッハシリーズが20回を迎えたのを記念して、今の演奏をCDに残し、皆様に聴いていただきたいと考えたのです。

4日間のレコーディングはかなり過酷な仕事でしたが、いくつもの新しい発見があり、バッハにまた一歩近づけたとの手応えを感じることができました。そして今回のバッハシリーズでは、生演奏で全6曲お聴きいただくという、私にとっては初の試みに挑戦します。曲毎に施されたさまざまな工夫や、全曲を通して滔々と流れる精神を、私の心と体というフィルターを通して、リアルタイムで味わっていただきたいと考えています。

さらに、未曾有の大震災で命を奪われた多くの方々のご冥福を祈り、今も困難に立ち向かっておられる方々の心に寄り添う気持ちを、偉大な音楽に託して表現したいと思います。少し長いコンサートにはなりますが、終演後のさやかなレセプションも含めて、クリスマス直前の午後をご一緒にお過ごしいただければ幸いです。