コロナ禍を乗り越える希望の調べ II  「清里に集う名手たちの饗宴」

2022年9月7日

2022年9月16日(金) 19:00 (18:30開場) 山梨県、清里清泉寮本館ホール

共演:土屋美寧子(pf)
磯村和英(va)
岩崎洸(vc)

●ベートーヴェン ピアノトリオ 第5番 ニ長調 op.70 no.1 「幽霊」
●モーツァルト  ヴァイオリンとヴィオラのためのデュオ 第1番 ト長調 KV423より アダージョとロンド
●バッハ  無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007より プレリュード、サラバンド、メヌエット
●リスト  ロッシーニの「音楽の夜会」ピアノソロ編曲より セレナーデ
●ブラームス  ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 op.25

チケット:\3500(食事や宿泊付きのプランもあります)
お問い合わせ:清里清泉寮 0551-48-2111

素晴らしい仲間とともに

和波 たかよし

土屋美寧子と私は、2007年から清里清泉寮でチャリティーのデュオ・コンサートを開いていましたが、2012年に岩崎洸さんとのトリオが大好評をいただいたことから、この3人で演奏する機会が増えました。大学時代の同級生で、アメリカを拠点に今も精力的な活動を続ける岩崎さんとの音楽作りは、私たちにとって実に刺激的、かつ幸せな経験になっています。
今回は、40年にもわたって世界の室内楽界に君臨した東京カルテットのヴィオラ奏者として活躍された磯村和英さんをお迎えし、ソロから四重奏まで、さまざまな組み合わせによる名曲の数々をお聴きいただきます。弦楽器の3人は、いずれも桐朋学園で齋藤秀雄先生の薫陶を受け、同じ空気の中で室内楽やオーケストラに参加していました。それを基礎にしながら、コンサート活動や後進の育成にも取り組んできた私たちが、今回清里で初の共演を果たせることは、大変大きな喜びです。
ヨーロッパの土着民族、ロマの音楽にも影響を受けた、情熱的でロマンティックなブラームスの四重奏曲で、磯村さんのヴィオラを加えた4人がどんなアンサンブルを作れるか、わくわくするような興奮を覚えずにいられません。
一方、ベートーヴェンの「幽霊」は、作曲者の生誕250年だった2020年に演奏する予定でしたが、コロナ禍の勃発で岩崎さんが帰国できずに断念した曲です。意志の力と精神の深さを宿したベートーヴェンの作品は、困難と不安の中にある私たちに、希望と勇気を与えてくれる心の栄養となるでしょう。
9月半ばの清里は、おそらく年間を通して最も心地よい季節です。由緒ある清泉寮本館ホールの親密な雰囲気のもとで、私の周りに集まってくれる名手たちとのハーモニーを、心ゆくまでお楽しみいただきたいと願っています。