クリスマス・バッハシリーズXIX ヴァイオリンと鍵盤楽器の共演 - 武久源造氏を迎えて

2010年12月26日

チラシちらし和波たかよし クリスマス・バッハシリーズXIX
ヴァイオリンと鍵盤楽器の共演 -- 武久源造氏を迎えて
2010年 12月26日(日) 午後2時
東京文化会館小ホール
Takayoshi Wanami Christmas Bach Series XIX
Sun., 26 Dec. 2010 at 2,00 p.m.
Tokyo Bunkakaikan Recital Hall

全指定席 A¥5000 B\4500
主催:アマティ

◎J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第3番 ホ長調 BWV1016
◎J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第4番 ハ短調 BWV1017
◎H.I.F.ビーバー:ヴァイオリンと通奏低音のための描写ソナタ イ長調
◎J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第2番 イ長調 BWV1015
◎G.F.ヘンデル:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ニ長調 HWV371
◎J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第6番 ト長調 BWV1019

J.S.Bach: Sonata for violin and harpsichord no.3 in E Major BWV1016
J.S.Bach : Sonata for violin and Harpsichord no.4 in c minor BWV1017
H.I.F.Bieber: Sonata Representativa for violin and basso continuo in A Major
J.S.Bach: Sonata for violin and harpsichord no.2 in A Major BWV1015
G.F.Handel: Sonata for violin and basso continuo in D Major HWV371
J.S.Bach: Sonata for violin and harpsichord no.6 in G Major BWV1019

楽しい趣向をご用意して

和波たかよし


クリスマスの時期にバッハを演奏して、過ぎ去って行く年を思い、新たな年への希望を分かち合いたい……そう考えたのが、20年前に「クリスマス・バッハシリーズ」を始めたきっかけでした。これまで、無伴奏曲やチェンバロとのソナタ、弦楽オーケストラとの協奏曲などを演奏してきましたが、2004年からはずっとバロック楽器やモダン楽器を用いた無伴奏リサイタルを続けていました。

「何か違ったことをしたいが、どんな曲目と共演者が良いだろう」と悩んでいたとき、「武久さんは?」と口にしたのは、妻の土屋美寧子でした。日本を代表する鍵盤楽器奏者の一人、武久源造さんは、私より一回り若く、筑波大学附属盲学校の後輩でもあることから、その存在に注目していましたし、最近は演奏を聴いたりコンクールの審査で一緒に仕事をする機会も増えていました。しかし、私とは明らかに性格の異なる武久さんとの共演を決心させたのは、この妻の一言でした。

彼は、特に古楽器への造詣が深く、その飽くなき探求心と緻密な演奏によって、国際的に高く評価されています。いつも新しい何かを生み出そうとする彼のエネルギーは、物事に慎重な私に不足している要素であり、バッハシリーズに新しい可能性を与えてくれるのはこの人に違いない、との確信を持って武久さんをお迎えしました。

プログラムには、バッハだけでなく、40歳ほど年上で技巧的なヴァイオリン曲を多く残したビーバー、それにバッハと同じ年のヘンデルの作品も加えました。鳥や動物の声をヴァイオリンで真似るビーバーのユーモラスな作品を加えたのは、武久さんのアイディアでした。また今回は、前半をバロックヴァイオリンとチェンバロ、後半をモダンヴァイオリンと、バッハの時代に作られた珍しい「ジルバーマンピアノ」との共演で、バッハ時代の音楽に二つの角度から響きの照明を当ててみることにしました。バッハの厳粛さも織り込みつつ、忘年会のような楽しさを味わっていただけるコンサートにしたいと思います。例年とはひと味違う雰囲気の「バッハシリーズ」に、ぜひご来場ください。