コロナの驚異

2020年2月26日

 最近の私は、なんだか違和感だらけの毎日を送っている。コロナ絡みの大騒ぎに心を炒めつつ、何かが違う、何かが違うと思い続け、そのストレスが胸にのしかかっている。
 今日は、立憲民主党の議員が、「クルーズ船を降りた乗客への対応が間違っていたのではないか」と政府を追求した、との報道があった。だが、この追求はいささかナンセンスではないだろうか。
 いくら今の政府だって、今回のウィルス感染が広がらないように、懸命な努力をしていると思う。ベストを尽くしても、できないものはできないし、結果が悪かったからと言って、政府の責任を追求するだけでは仕方ないのではなかろうか。
 東日本大震災の時の、民主党政府の対応を思い出してみるがよい。今のこの事態を、野党だったら少しマシに切り抜けられるとは、どうしても思えないのである。
 我々は、人間の知恵を超えたウィルスの挑戦を受けている、と考えるべきだ。その挑戦を受けるに当たって、まず人間はもっと謙虚になるべきだと思う。こんな時でも、人間は互いに争ったり、競ってデマを流すなど、実に愚かな行為を繰り返している。「そんな場合ではないだろう」と言いたくなる。国が言うからとか何とかではなく、一人ひとりがもっとこの自体を申告に受け止め、責任のある行動を取るように努力することしかないのではなかろうか。
 私達音楽家は「演奏」がメインの仕事である。言うまでもなく「演奏」はイベントだから、今回のようにイベントを自粛することになれば、音楽家は精神的、経済的に大きな被害を受ける。幸い私は、今の所重要なコンサートがないので直接の被害はないが、生徒のコンサートが中止されたり、自主的に中止したりということが起こっている。個々の音楽家にとっては、全く気の毒な話である。音楽家だけでなく、スポーツ選手やその他の分野にも、被害は広がっている。さらに、経済一般も大きな打撃を受けそうな雲行きである。
 自粛のムードが広がると、世の中の雰囲気も暗くなる。こういう時だからこそ、一人一人は希望を捨てず、明るい気持ちで前を向いて進むことが、何よりも大切だろう。
 いがみ合うのではなく、思いやりと助け合いの心を持って、手を携えて進み、ウィルスという見えない驚異としっかり立ち向かって行かなければならない。そして、1日も早い収束を、心の底から願ってやまない。