和波たかよし 楽壇デビュー50周年記念演奏会 <我が心のブラームス> 2013年6月9日(日)

2013年2月11日

2013年6月9日(日) 14:00 紀尾井ホール
共演:土屋美寧子(pf)
チラシ表面の画像

●ブラームス  ヴァイオリンソナタ 第2番 イ長調
●ディートリヒ/ブラームス/シューマン  F-A-E ソナタ イ短調
●ブラームス  ヴァイオリンソナタ 第1番 ト長調、
ヴァイオリンソナタ 第3番 ニ短調
全指定席 \5000
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主催・お問い合わせ:株式会社AMATI Tel 03-3560-3010 http://amati-tokyo.com/performance/20120113.html
チラシ裏面の画像

ブラームスへの思い

和波たかよし

50年前、18才で演奏活動を始めた当時、私は「一番好きな作曲家は」と尋ねられると、迷わず「ブラームス」と答えていました。中学生の頃から夢中で交響曲を聴き、高校2年生の時コンクールの課題曲だった協奏曲の第1楽章を勉強して、すっかり魅了されてしまったのです。ロン=ティボーコンクールでパリのオーケストラと協奏曲を全曲弾いたのは20才の時でしたが、ソロを温かく包み込む管弦楽との調和にぞくぞくするような感動を味わい、それが「音楽の世界で生きて行こう」との決心に繋がりました。
ピアノとヴァイオリンのための3曲のソナタも間もなくレパートリーにし、リサイタルでしばしば取り上げました。そして、ブラームス生誕150年の1983年には、今日のパートナー、土屋美寧子の恩師であったヘルムート・バルト氏と東京でソナタ全曲を演奏して、文化庁芸術祭優秀賞をいただいたのでした。
ブラームスは、今年生誕200年を迎えたワーグナーより20才年下ですが、その音楽はワーグナーに比べて古典的、保守的と言えるもので、伝統的なスタイルを重んじつつそこに独自色を加えて行くという姿勢に貫かれています。そして、彼の音楽の底に流れる心の温かさを表現しようとする時、私の胸はいつも幸せな喜びで満たされるのです。
「デビュー50周年にはブラームスのソナタを」と、私はかなり前から考えていました。それは、もう一度若い頃の憧れであったブラームスと正面から向き合うとともに、今の私が最も大切にしているもの、30年余りも共に歩んできた土屋美寧子とのデュオで、この記念の年をマークしたいと思ったからです。また今回は、若き日のブラームスが、彼を熱烈に賞賛していたシューマンに誘われて、同世代のディートリヒと3人で、共通の友人ヨアヒムのために作曲した「FAEソナタ」も演奏します。ドイツロマン派音楽の情熱や哀感、そして希望や喜びなどを、多くの皆様と共有できることを願っています。