2016年12月24日(土) 14:00 東京文化会館小ホール
<無伴奏ヴァイオリンによる Bach + two その3>
●プレトーク(13:45) 「今日の曲目に寄せて」 和波たかよし
●J.S.バッハ(1685-1750) 無伴奏ヴァイオリンソナタ 第2番 イ短調 BWV1003
●M.レーガー(1873-1916) 無伴奏ヴァイオリンソナタ イ短調 op.91 no.1
●E.イザイ(1858-1931) 無伴奏ヴァイオリンソナタ 第3番 ニ短調 op.27 no.2 「バラード」
●J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリンパルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004
24th Takayoshi Wanami Christmas Bach Series
Sat. 24th December 2016 at 2.00 p.m. at Tokyo Bunkakaikan Recital Hall
●Preconcert Talk: About today’s program by Takayoshi Wanami (at 1:45pm)
●J. S. Bach Sonata for solo violin no.2 in a minor BWV1003
●M. Reger Sonata for solo violin in a minor op.91 no.1
●E. Ysaye Sonata for solo violin no.3 in d minor op.27 no.3 “Ballade”
●J. S. Bach Partita for solo violin no.2 in d minor BWV1004
全席指定 A=\4500 B=\4000
主催・お問い合わせ 株式会社AMATI Tel 03-3560-3010
ヴァイオリンに未来への希望を込めて
和波 たかよし
一昨年から始めた「Bach + two」の第3回、かつ最終回となる今年は、レーガーとイザイの作品をバッハの2曲で挟むプログラムを組みました。
レーガーの曲をレパートリーにしたのは、私が25歳の頃でした。新人だった私にレコード録音の話がもたらされ、どんな企画にするかを思案していた時、恩師・江藤俊哉先生から「珍しい無伴奏曲を集めては」とアドバイスをいただき、数曲を勉強した中に含まれていたのです。レコードは、結局イザイの無伴奏ソナタ全曲を録音し、これが1971年の「文化庁芸術祭優秀賞」をいただくこととなりましたが、レーガーも演奏会や放送で当時しばしば弾いていました。
30年以上も遠ざかっていたこの作品を勉強し直してみようと考えたきっかけは、3年前に聴いたチェロのピーター・ウィスペルウェイ氏のリサイタルでした。バッハとレーガーを組み合わせたその無伴奏リサイタルはとても刺激的で、久々にこの作曲家の魅力を思い出させてくれたのです。今回のプログラムの前半では、バッハとレーガーのイ短調ソナタを並べることで、ロマン派後期のレーガーにバッハがどのような影響を与えたかを味わっていただけると思います。
後半は、イザイの無伴奏曲の中で最もよく演奏される「バラード」と、バッハの傑作「シャコンヌ」を含むニ短調のパルティータをお聴きいただきます。また、開演前に「今日の曲目に寄せて」と題した10分間のトークも予定しています。熊本地震を初め、今年もまた日本にも世界にも、多くの不幸な出来事がありました。犠牲になられた方々、苦しんでおられる方々に心を寄せつつ、来たるべき新年への希望と祈りを分かち合う一時を、皆様とご一緒に過ごせるよう願っています。