過去は財産

2013年4月18日

 デビュー50周年の記念リサイタルが近づいてきた。最近私は、よく50年前のことを思い出している。そのきっかけになったのは、当時大学で教えていただいていた英語の先生からのメールだった。
 その先生は、お仲間を誘ってコンサートに来て下さるという。「お元気で良かった」と安堵しながら、私はその先生と出会った頃に思いを馳せた。
 こうしてパソコンに向かっているデスクの後ろにある本棚には、自分で書いた古い日記が立てかけてある。屋根裏に仕舞ったものもあるが、ちょっど探したら50年前の日記が出てきた。少し読んでみて、なんだかタイムマシンで過去へ舞い戻ったような感覚に打たれた。
 昔を振り返って陶然としている私を見たら、妻はきっと笑うだろう。彼女は、どうも昔話を好まぬ傾向がある。「君は未来に生き、僕は過去に生きるんだよな」とよく私は言うのだが、私は誰かに昔話をするのが好きだ。そこで考えた。このブログを利用して、時々昔話をしよう。50年前の私がどんなだったか、その頃の世の中がどんなだったか、私の覚えていること、日記に記録されていることの一端を、ここに書き記すことにしよう。
 陶然となれるような過去を持っているのは、素晴らしいことだと思う。それらは、私のかけがえのない財産だ。それがどんなものなのか、少しだけでもご紹介したいと思う。ただ、私もその日の生活に追われているから、どのぐらい書けるか自信はない。でも、やってみることにしよう。
 とは言ってみたものの、今日は先輩の篠崎功子さんの演奏会を聴いてきて、もうすぐ午前0時。かなり疲れたので、ここまでで終わることにしたい。