8月を終わるに当たって

2013年8月31日

 8月を終わるに当たって、とりあえず無事にここまで来られて良かったと、安堵感をかみしめている。今年の八ヶ岳サマーコースは、日程がハードだったため、「自分の体力と集中力が持つだろうか」と一抹の不安を抱えて臨んだ。しかし、素晴らしい受講生たちとアシスタントに支えられて、大きなトラブルもなく終わることができた。低年齢化した受講生たちがきちんと集団生活のルールを守ってやってくれるかも心配だったが、これも皆が仲良く楽しそうに過ごしていたので、私の取り越し苦労に終わった。レッスン中にかなり厳しく注意しなければならない人もいたが、最後には良い演奏で応えてくれ、私を喜ばせた。「若者たちも意外にしっかりしているな」というのが、今年の印象であった。
 後半の室内楽短期セミナーも、皆が意欲を持って取り組んでくれたお陰で、4人の講師陣は張り合いを持って指導がで来た。もちろん、思うように結果が残せなかった人や、いろいろ不満な点が残った人もいたかもしれないが、私が皆と話したかぎりでは、全員が満足の意を表してくれた。サマーコースに参加した私の3人の門下生も、それぞれに確かな成長を見せてくれ、「やはり集団で勉強することの意義は少なくない」と実感することがで来た。
 サマーコースについては、いずれ総括を書きたいと思っているが、今は松本でのサイトウ・キネン・オーケストラに没頭している。とにかく、私はオーケストラのパートを暗譜で弾かなければならないのだから、他のメンバーよりずっと負担が大きい。でも、今まで続けてきたのだから簡単には辞められないとの気持ちもある。「ツァラトゥーストラはかく語りき」というかなり複雑な曲と取り組んでいるので、しばらくは気が抜けないし、累積の疲れも貯まっているから、健康に注意しながら後1週間を過ごさねばならない。妻と私の不在で退院が遅れている母のためにも、私はしっかり仕事をしなければと思っている。
 今日は素晴らしいオペラ公演を聴く幸せを味わったし、昼は2人の昔の弟子と食事をしていろいろ情報交換をした。また夜は、オペラを聴きに来られた古いお知り合いのご家族とひとときを過ごした。そんな楽しみも提供してくれるのが、このフェスティバルなのである。明日からはどんな日々が待っているのか、楽しみにしながら毎日を送ることにしよう。