土屋美寧子の18回目のソロリサイタルが迫ってきた。いつになっても、リサイタルを開くのはかなりの緊張感を伴うことだ。美寧子は少しでも良い演奏をしようと練習に余念がないが、私はその努力が幸せな形で実を結ぶことを祈るのみだ。
幸い25日は天気の崩れもなさそうだが、今回は土日の昼でなく金曜日の夜になったため、まだお客様があまり多くないようだ。できるだけ多くの方々が会場に出かけてくださって、演奏を味わうとともに美寧子をサポートしていただけたら幸いである。デビューリサイタルから30数年、さまざまな音楽的経験を積み重ねてきた彼女が、ピアノからどんな音楽を紡ぎ出すのか、ご一緒に聴いていただけることを願ってやまない。
そういえば、「八ヶ岳サマーコース」と「室内楽短期セミナー」の参加申し込み締め切りまで、1ヶ月を切った。こちらも26年の歴史を重ねてきた夏期講習だが、このところ同種の講習会の激増もあって、参加者が伸び悩んでいる。でも、私が中心になって教えているのはここだけだし、素晴らしいアシスタントや伴奏ピアニストにも恵まれたサマーコースである。学生の皆さんも、すでにプロとして活躍しておられる方も、そしてアマチュアの方も、それぞれに音楽を向上させるため、一緒に勉強する機会を共にできれば幸せである。とりあえず、こちらからサマーコースのページに入って、要項などをお読みいただきたい。是非私たちと一緒に、音楽がいっぱいの豊かな夏を過ごしていただけるようにと願っている。
私の音楽人生が後どのくらい残っているかはわからないが、どう考えても元気でやれるのは残り10年か15年だろう。この限られた期間に、自分の経験や恩師たちからの貴重な教え、そして私がイメージしている理想的なヴァイオリンの音とはどんなものなのか、そうしたことをお一人でも多くの方々にお伝えしておきたい。大切なものを手渡しするように、八ヶ岳の山荘のレッスン室で続けられてきた音楽の営みに、今年はあなたが加わってくださることを期待し、お申し込みを心からお待ちしている。