クリスマスイブがコンサートイブ

2021年12月24日

 クリスマスイブの夜が更けてゆく。時々、11字頃になると数人の女性が、屋外で綺麗なキャロルを歌ってくれるが、今年もその声が聞こえるだろうか。
 私は、去年に続いて25日にバッハシリーズを開くので、イブの夜は2年連続の「コンサート前夜」となった。
 今日は、妻がローストチキンを作ってくれ、クリスマス・ディナーを楽しんだ。コンサートがなければアルコールも飲んで、いっそう良い気分になるところだが、それは明日までお預けである。
 昨日は午前中からリハーサル、家に帰って遅い昼食の後は、横浜市内の接骨院まで治療に行くという、とても忙しい1日になり、今日はゆっくり自宅で練習しながら疲れを休めた。夕方には、クラブハウスでちょっとだけバッハの無伴奏を弾き、クリスマス気分を演出した。
 今の私の心にあるものは、「十分な準備をしただろうか?今日まで自分はベストを尽くしたのだろうか」という思いだ。無論、自分では頑張ったと信じているが、まだ足りないと認める自分もいる。バッハの深遠な世界を極めるには、私の知識や技術ではまだ足りない。いつもそれを実感してしまう自分がいるのだ。
 とはいえ、コンサートは明日だ。今日までやってきたことを信じ、ここまでの自分を率直に表現すること、それが私の明日の仕事である。パートナーの上尾さんは、バロック音楽の演奏について、いろいろな助言をしてくれた。なるほどとうなずけることばかりだが、知ってはいても実践できていないことがたくさんあるのだと、このリハーサルを通じて実感した。明日は、自分がやりたいと思っているスタイルの実現に向け、もう1歩踏み出してみたい。そうすることが、お客様にもこの音楽をいっそう生き生きしたものとして受け止めていただけることに繋がるはずだ。自分で企画した「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ全曲演奏」という、めったに実現できない機会を、最大限に楽しむとともに、お出かけくださる皆さんと心の通う親密な時を共有できるようにと願って、今日を終えることにしよう。