2018年
ヴァイオリンリサイタル
第26回 和波たかよし クリスマス・バッハシリーズ
Takayoshi Wanami Christmas Bach Series XXVI
<無伴奏ヴァイオリンの魅力 その1>
2018年12月23日(日、祝) 14:00 東京文化会館小ホール
Sun. 23st December 2018 at 2.00 p.m. at Tokyo Bunkakaikan Recital Hall
●J.S.バッハ J.S.Bach
無伴奏ヴァイオリンソナタ 第1番 ト短調 BWV1001
Sonata for solo violin no.1 in g minor BWV1001
●J.S.バッハ J.S.Bach
無伴奏ヴァイオリンパルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002
Partita for solo violin no.1 in b minor BWV1002
●トーク
「バッハと向き合って」
●J.S.バッハ J.S.Bach
無伴奏ヴァイオリンソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005
Sonata for solo violin no.3 in C Major BWV1005
全席指定: A=\4,500 B=\4,000
主催・お問い合わせ: 株式会社AMATI
電話: 03-3560-3010
URL: http://www.amati-tokyo.com
原点に戻って
和波 たかよし
1985年3月21日、それはバッハの生誕300年の誕生日でした。
40才を目前にした私は、パリで記念のコンサートに出演し、パイヤール室内合奏団とバッハの協奏曲を演奏しました。
ホテルからホールへの道を歩きながら、この大切な記念日に自分が素晴らしいオーケストラとバッハを協演できる幸せに、胸がいっぱいになったことを覚えています。
思えばあのころ、「バッハ演奏を自分のライフワークにしたい」との気持ちが、私の中に芽生えたような気がします。
6年後、私はクリスマスの時期にバッハを演奏するシリーズをスタートさせました。
最初の2回は、無伴奏作品を3曲ずつ演奏しましたが、満員のお客様に聴いていただけ、大変好評だったことが、その後の大きな支えとなりました。
昨年は第25回目として、9人の素晴らしい奏者たちの協力を得て「バッハと四季」と題するコンサートを開きましたが、ここまで続けて来られたのは私のバッハを愛好して下さる皆様のご支持があったお陰にほかならず、今改めて自分の音楽人生がどれほど恵まれたものであるかを実感しています。
最近のバッハシリーズを振り返ると、2011年にはバッハの無伴奏全曲を一気に演奏したほか、チェンバロとの共演や、バッハに別の作曲家を組み合わせるなど、さまざまな企画で皆様にお楽しみいただける会を目指してきました。
しかし、今年は「バッハシリーズ」の原点に立ち返り、バッハの無伴奏3曲をじっくりお聴きいただくことにいたしました。
彼がそれぞれの作品に施した多様な工夫や、そこに込められたメッセージを自身で味わい直し、皆様にお届けしようと思います。
また、バッハや無伴奏ヴァイオリンにあまり馴染みのない方々にも親しみを感じていただけるよう、私にとってのバッハの魅力や、今どんな気持ちでこれらの作品と取り組んでいるかを、10分間でお話するコーナーも設けます。
慌ただしい年末ですが、バッハの清澄な調べとともに休日の午後をお過ごしいただければ幸いです。
第36回 野村記念講座(講演とコンサート)
わくわくつながる音楽祭 <あいネットワーク大分 第10回音楽会>
第27回 和波たかよし アフタヌーンコンサート <郷愁は心に熱い火をともす>
2018年10月14日(日) 午後2時 東京文化会館小ホール
Sun. Oct. 14, 2018 at 2,00p.m. Tokyo Bunkakaikan Recital Hall
ヴァイオリンとお話し: 和波 たかよし
チェロ: 岩崎 洸
ピアノ: 土屋 美寧子
Takayoshi Wanami: Violin & Talk
Ko Iwasaki: Cello
Mineko Tsuchiya: Piano
コダーイ ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 op.7
Z. Kodaly Duo for violin and cello op.7
チャイコフスキー 四季 op.37 bis より10月秋の歌、11月トロイカ(ピアノソロ)
P. Tchaikovsky from “The Seasons” op.37bis October: Song of the Autumn, November: On the Troika
ドヴォルザーク ピアノトリオ 第3番 ヘ短調 op.65
A. Dvorak Piano trio no.3 in f minor op.65
全指定席 A:\5,000 B:\4,500
主催・お問い合わせ 株式会社AMATI Tel 03-3560-3010
後援: 一般社団法人・日本演奏連盟、 一般社団法人・全日本ピアノ指導者協会PTNA
チケットのお申し込みはこちら
音の対話をご一緒に
和波 たかよし
「客席とステージの境を超えて、和やかな雰囲気のもとで一緒に音楽を楽しめるコンサートを作りたい」と考えたのが、1984年に「アフタヌーンコンサート」を始めた動機でした。クラシック音楽を身近なものに感じていただけるよう、演奏の合間には曲にまつわるお話しを交え、演奏者同士の音のメッセージのやり取りを楽しんでいただける「室内楽」を中心にプログラムを組み、長年のデュオ・パートナーである土屋美寧子とのソナタ、弦とピアノのアンサンブル、ホルンやクラリネットとの共演など、多彩な演目を聴いていただいてきました。
今回お迎えするチェロの岩崎洸さんは、私の大学時代の同級生。2009年の「アフタヌーンコンサート」で初めてピアノトリオを演奏して以来、ほぼ毎年共演を重ねてきましたが、ソリストとしても豊富な経験の持ち主である彼との音楽づくりは大変刺激的で、毎回快い緊張感を持って楽しく演奏しています。昨年は初のCD録音も行い、出来上がった演奏を聴いて、私は「3人の信頼と友情の証を残すことができた」と、深い喜びと感謝の念を覚えたのでした。
その録音以来1年半ぶりとなる今回の共演では、哀愁を帯びたメロディーをロマンの香りで包んだドヴォルザークのピアノトリオに加え、ハンガリー土着の民謡を素材としたコダーイのヴァイオリンとチェロのためのデュオも聴いていただきます。2014年に岩崎さんとこの曲を弾いた時の、技術的な課題を乗り越えながら互いの音をしっかり聴き合い、感情をぶつけ合う興奮と達成感が忘れられず、東京でも演奏することにしました。美しい旋律を陰影に富むハーモニーが彩るチャイコフスキーのピアノの小品も併せて、民族色豊かな音楽で、多くの皆様に私たちの「音の対話」を共有していただけることを願っています。
土屋美寧子 ピアノリサイタル
2018年4月15日(日)14時開演(13時30分開場)
サントリーホール(小ホール)ブルーローズ
東京都港区赤坂1-13-1
全自由席 \4,000
Mineko Tsuchiya Piano Recital
Sunday 15th April 2018 at 14:00
Suntory Hall / Blue Rose
Ticket \4,000
<ソナタの諸相>
モーツァルト ソナタ ヘ長調 KV300k(332)
シューベルト ソナタ第20番 イ長調 D959
フランセ ソナタ イ長調 (1960)
ヤナーチェク ソナタ 「1905年10月1日」
スクリャービン ソナタ第4番 嬰へ長調 作品30
<Diverse Aspects of Piano Sonatas>
W.A.Mozart Piano Sonata in F Major KV300k(332)
F.Schubert Piano Sonata in A Major D959
J.Françaix Piano Sonata (1960)
L.Janáček Piano Sonata « 1.X.1905 «
A.Scriabin Piano Sonata no.4 in F sharp Major op.30 (1903)
マネジメント: ミリオンコンサート協会 03-3501-5638
後援: 公益社団法人 日本演奏連盟
一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)
クロイツァー記念会
プログラムに寄せて
今回のリサイタルのテーマにした「ソナタ」は、1700年代にその形式の元がイタリアで生まれました。第1と第2の主題を示す提示部、その主題を発展させる展開部、主題が戻ってくる再現部という3つの部で構成されるのがソナタ形式の基本です。モーツァルトの時代にはソナタ形式を用いた第1楽章に、ゆったりした第2楽章、メヌエットなどの第3楽章、華やかな終楽章が加わって大きな楽曲になる「ソナタ」が確立しました。それから現代に至るまで多くの作曲家が「ソナタ」を書いていますが、一応定められた形式の中で発揮される作曲家の独創性は、自由な形式で書かれた作品よりも際立つように思います。
典雅なモーツァルト、抒情あふれるシューベルトを前半に、洒脱なフランセ、実際に起こった事件を描いたヤナーチェク、耽美的そして幻想的なスクリャービンを後半において、「ソナタ」の中を冒険するように、古典から現代までを旅してみたいと思います。
皆様にもぜひこのアドベンチャーをご一緒に楽しんでいただけますよう願っています。
Profile
土屋美寧子(つちやみねこ)のソロリサイタルは、1976年以来東京、名古屋など国内各地で隔年毎に開催され、テーマを定めたプログラミングと演奏の双方が高く評価されている。前回2016年の「いつの世も喜びと悲しみは結ばれている」と題したリサイタルは、”ベートーヴェンでは格調高い音楽作りが注目され、シューマンでは、対照的なキャラクターの間で揺れ動く表現が実に味わい深い。シューベルトの舞曲に聞く洗練された節回しも印象的であり、ソナタでは美しいタッチとともに曲想にそった表情の変化が聞きものだった。“(音楽の友誌)などの好評を得た。室内楽の分野では、ヴァイオリニストの和波孝禧とデュオを組み、日本各地や欧米各国で数多くの演奏や放送及びCD録音を行っているほか、他の奏者との共演も活発に行っている。2017年はクラリネットの橋本杏奈氏と東京や長野県内でソナタやトリオを共演した他、9月に「ピアノトリオ・シューマン、ドビュッシー、ブラームス」のCDをリリースした。
指導の分野では、毎夏「八ヶ岳サマーコース」で室内楽グループをコーチ。1999年からは「室内楽短期セミナー」を主宰してピアニスト及び弦楽器奏者を指導。2009年より沖縄芸大非常勤講師として室内楽集中授業を担当。PTNA(全日本ピアノ指導者協会)ピアノコンペティションの審査員、ピアノステップのアドバイザーを務めている。
これまでに岸川基彦氏、鷹取淑子氏、永井進教授、カール・ゼーマン教授、ヘルムート・バルト教授、ジョルジ・シェベック教授らに師事。都立駒場高校音楽科を経て1972年東京芸術大学卒業、1971年クロイツァー賞受賞。1975年ドイツフライブルク音楽大学卒業。