音楽歴 略年譜
年 | 出来事 |
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1945年 | 東京生まれ。生来全盲。4歳よりヴァイオリンを始め、辻吉之助、鷲見三郎、江藤俊哉の各氏に師事。 |
1954年 | 第6回全日本盲学生音楽コンクール第1位特賞。 |
1955年 | 日比谷公会堂で行われたヘレン・ケラー女史の歓迎会で演奏。 |
1958年 | 第12回全日本学生音楽コンクール中学生の部で全国第1位。 |
1959年 | 山梨を舞台とした音楽映画「いつか来た道」に主演。 |
1962年 | 第31回日本音楽コンクール第1位、特賞、安宅賞受賞。 |
1963年 | 日本フィルのソリストとして斎藤秀雄氏の指揮で楽壇にデビュー。 |
1964年 | 桐朋学園渡米弦楽合奏団のメンバーとしてアメリカ各地で演奏。ニューヨークとサン・フランシスコではバッハの協奏曲のソリストを務めた。 |
1965年 | パリのロン=ティボー国際コンクール第4位入賞。ヨーゼフ・シゲティー氏の指導を受ける。 |
1966年 | 東京でデビュー・リサイタル、およびオーケストラとの協演による「名曲の夕べ」を開催。 |
1967年 | モスクワでD.オイストラッフ氏の指導受け、続いてイタリア、シエナのアカデミア・キジアーナ、室内楽クラスでS.ロレンツィ、R.ブレンゴラ氏の薫陶を受ける。 |
1968年 | 点字毎日文化賞を受賞。東京で「協奏曲の夕べ」を開催し絶賛を博す。 |
1969年 | 西ベルリンとロンドンでデビューリサイタルを開催。ヨーロッパでの活動の地歩を築く。 |
1970年 | ロンドンのカール・フレッシュ国際コンクール第2位入賞。ブリュッセルのイザイ協会から「イザイメダル」を贈られた。 |
1971年 | イタリアのピアニスト、セルジョ・ロレンツィ氏と日本各地でデュオ・リサイタルを開催。ブルッフの協奏曲を演奏して、ロンドンのロイヤル・フェスティヴァルホールにデビュー。イザイ無伴奏ソナタ全集のレコードで芸術祭優秀賞を受賞。 |
1974年 | ドイツの名門、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団と初共演。 |
1978年 | 邦人ヴァイオリン作品集のレコードにより、文化庁芸術祭優秀賞を受賞。 |
1979年 | この頃より、ピアニスト土屋美寧子とデュオを組み、現在に至るまで国の内外で数多くのデュオ・リサイタル、放送、CD録音などを行っている。 |
1980年 | ピアニスト、ブルーノ・カニーノ氏を招聘して東京、大阪など国内諸都市でリサイタル。秋の「NHK交響楽団国内ツアー」に同行し、メンデルスゾーンの協奏曲を演奏。 |
1981年 | 「国際障害者年」を記念するさまざまな催しに招かれ、国内で80回にもおよぶコンサートに出演。ニューヨーク国連本部での「人権デーコンサート」とジュネーヴILO本部での「障害者年記念コンサート」で演奏。 |
1982年 | 東京で尾高忠明氏指揮東京都交響楽団との協演による「協奏曲の夕べ」を開き、原博氏から献呈された作品「シャコンヌ」を初演。 |
1983年 | ピアニストのヘルムート・バルト氏との「ブラームス・ソナタ全曲演奏会」で文化庁芸術祭優秀賞を受賞。 |
1984年 | スイス、セオンの「バッハ音楽祭」で演奏。東京で語りと音楽による「和波たかよしアフタヌーンコンサート」を開催。このシリーズは、2014年までに25回を数えている。 |
1985年 | 第1回「和波たかよし・八ケ岳サマーコース」を開催。以後毎年8月に、八ケ岳高原泉郷で、この講習会を開いている。 |
1986年 | カイロで開かれた「エジプト日本週間」に招かれ、カイロ響との協演とリサイタルを開催。続いて国際交流基金の招きでモロッコ、イタリアでも演奏。 |
1987年 | ロンドンで自らロンドン・モーツァルト・プレイアーズを指揮しながら協奏曲4曲を演奏するリサイタルを開催。またバーミンガム市響、BBCフィルなどと協演。障害を克服した顕著な社会活動により、内閣総理大臣表彰を受けた |
1989年 | 桐朋学園大学非常勤講師に就任。モスクワ、キエフなど旧ソ連諸都市でリサイタル。尾高忠明氏指揮BBCウェイルズ響、小澤征爾氏指揮新日本フィルと協演。 |
1990年 | サイトウ・キネン・オーケストラのヨーロッパ演奏旅行に参加。以後毎年同オーケストラのメンバーとして活動している。 |
1991年 | サマーコース参加者を中心とした弦楽合奏団、「いずみごうフェスティヴァルオーケストラ」を結成。同年12月には、東京で「第1回和波孝ネ喜・クリスマス・バッハシリーズ」を開催。以来、毎年クリスマスの時期にバッハを演奏し好評を得ている。 |
1992年 | A.リーパー指揮ロンドンフィルとブラームス、シューマンの協奏曲をCD録音。 |
1993年 | 「第23回モービル音楽賞」受賞。 |
1994年 | 自らの半生を綴った著書「音楽からの贈り物」が出版された。 |
1995年 | 「第26回サントリー音楽賞」を受賞。 |
1996年 | 大阪と東京でサントリー音楽賞記念コンサートとして協奏曲の夕べを開催。ハンガリー諸都市でオーケストラと協演、またドイツ、デンマークではリサイタルを行った。 |
1997年 | 東京で「和波たかよしと仲間達、室内楽シリーズI」としてシューベルト生誕 200年記念コンサートを開催。そのライブCDが発売された。 |
1998年 | 4月から5月にかけてロンドンで、バッハとイザイの無伴奏作品全曲による3回のリサイタルを開催。 |
1999年 | 2冊目の著書「ヴァイオリンは見た」が海竜社より出版された。11月には、ハンガリーのコダーイ音楽院で前年に引き続きマスタークラスを開催。 |
2000年 | 東京芸術大学非常勤講師に就任。諏訪で開催された「北欧音楽祭」に招かれてリサイタル。東京での「第14回アフタヌーンコンサート」で、ハンガリーの作曲家、カルマン・ドボシュ氏より献呈された「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」を土屋美寧子と共に初演。 |
2001年 | 毎日新聞社主催のコンサートでピアニスト、梯剛之氏と共演。「第11回クリスマス・バッハシリーズ」で初めてバロックヴァイオリンを演奏。 |
2002年 | 韓国、フランス、ハンガリー、ドイツへ演奏旅行。東京での「アフタヌーンコンサート」ではいずみごうフェスティヴァルオーケストラを指揮し、「クリスマス・バッハシリーズ」ではチェンバロの中野振一郎氏と共演。 |
2003年 | ロンドンで土屋美寧子とのリサイタルを開催。 続いてフライブルク、フランクフルト、バーゼルなどドイツ、スイス、ハンガリー諸都市で演奏。 東京の浜離宮朝日ホールで、朝日新聞社の主催により、デビュー40周年記念として土屋美寧子とベートーヴェンのヴァイオリンソナタ全10曲を演奏する3夜のリサイタルを開催。 秋にはフランクのヴァイオリンソナタとピアノ五重奏曲のCDが発売された。 |
2004年 | 大フィル、京響、東フィルと協演。5月、サイトウ・キネン・オーケストラのヨーロッパ演奏旅行に参加。10、11月にかけてフライブルク、フランクフルトを再訪。 |
2005年 | 4月1日に「60才バースデーコンサート」を東京のサントリーホールで開催。いずみごうフェスティヴァルオーケストラと協演したほか、土屋美寧子とのデュオで鷹羽弘晃に委嘱した新作「軌跡」を初演。さらにトークやピアノ演奏も披露し、大きな反響を得た。 我が国芸術の発展に寄与した功績により、紫綬褒章を受章。 さらに、「八ヶ岳サマーコース」など山梨県内での活動が評価されて「野口賞特別賞」を、また視覚障害者福祉の向上に寄与した業績により「鳥居賞」を受賞。 この年より、愛知県立芸術大学非常勤講師に就任。また、この年に設立された「点字楽譜理葉連絡会」の代表に就任。 |
2006年 | 本間一夫文化賞を受賞。 |
2007年 | 清里で土屋美寧子と、現代から古典へソナタのレパートリーを遡って演奏する10回のデュオ・リサイタルシリーズを開始、2012年春に終了。 |
2008年 | 東京、名古屋などでイザイ生誕150年記念として、イザイ無伴奏ソナタ全曲のリサイタルを開催。 |
2009年 | ロシアのクルスクでロシア室内管弦楽団と協演。 |
2010年 | 米子で鷲見三郎メモリアルソサエティの主催で恩師に捧げるリサイタルを開催。愛知県立大学弦楽器専攻生による合奏団を指揮して演奏。 |
2011年 | アメリカ、オハイオ州のライト州立大学で演奏会とマスタークラスを開催。 名古屋で土屋美寧子と、ベートーヴェンソナタ全曲のリサイタル。 山梨県長坂で、八ヶ岳サマーコース&コンサートの25周年記念コンサートを開催し、いずみごうフェスティヴァルオーケストラを指揮して絶賛を博した。 11月にはシルヴァン・カンブルラン氏指揮藝大フィルハーモニアとロドリーゴの協奏曲、下野竜也氏指揮兵庫県立芸術文化センター管弦楽団とバッハの協奏曲、12月にはプラハ城でのチェコ盲人連合主催ガラコンサートで、プラハ歌劇場室内管弦楽団とモーツァルトの協奏曲を演奏した。 12月にはバッハ無伴奏作品全曲の2度目のCD録音をリリース。 「第20回クリスマスバッハシリーズ」で同作品を演奏。 |
2012年 | 清里で室内楽と小品によるシリーズ、Pleasure of Musicを開始。秋には東京、名古屋などでチェロの岩崎洸、ピアノの土屋美寧子とシューベルト作品による演奏会を開催。 |
2013年 | 6月に東京の紀尾井ホールで、楽壇デビュー50周年記念リサイタル「我が心のブラームス」を開催。土屋美寧子とブラームスのヴァイオリンソナタ全3曲、およびFAEソナタを演奏して絶賛を博した。 |