今年初めての日記

2018年1月21日

 2018年も、3回目の週末を迎えた。私は年末に熱を出して寝込んだが、元日には元気を取り戻し、その後もまずまずの体調で推移している。左の膝に痛みがあるので少々鬱陶しいが、あざみ野の接骨院の先生のところへ頻繁に通って、少しずつ良くなっている。
 年末のバッハシリーズまでは、忙しい日々が続いたが、目前にコンサートがなくなったので、突然箍が外れたような不思議な気分になってしまった。だが次第に、そういう生活にも慣れて、それなりのリズムが体内に出来始めている。
 コンサートはなくても、練習を欠かすことはできない。夏にはまた忙しくなるので、技術が衰えないように、できれば少しでもレベルアップできるように、練習はしっかり続けていなければならない。しかし、それは期限を切ったしゃかりきの練習ではなく、どうしてもゆったりした練習になる。自然に余暇が増え、日頃はあまりできない読書などに時間を使うようになる。こういう時期があっても、良いのかもしれない。
 いや、実際のところは、そんなに穏やかな気持ちの時ばかりではない。「こんなことをしていてよいのか?なぜ俺には演奏の機会がないんだ」と激しい焦燥感に見舞われることもある。緊張しながらオーケストラとの本番に臨む夢を見ることもある。
 だが、時々思い立って売り込みらしきことをやってみても、どうもうまく行かない。「やりたい」と「聴きたい」がマッチしなければ、コンサートは成立しない。たぶん、私の音楽を聴きたいと思って下さっている方はあちこちにおられると思うが、どうもそれがまとまらないような気がする。長野県の小海町や、あづみ野コンサートホールのように、定期的に呼んで下さるところもあるが、以前はもっとあちこちで私のコンサートが企画され、声をかけて下さるかたがたがおられた。それが減ってしまったのは、クラシックの企画事態が減少していることに加え、若手が続々と進出してきているので、私のことが忘れられかけているのだろうと思う。
 だが、私は諦めてはいない。良い音楽を奏で続けていれば、いつかきっともう一度名だたるオーケストラのソリストとしてステージに立てる日が来る。たとえそれが成らなかったとしても、私の音楽が再認識されて、聴いて下さる方が増える日が来る。それを信じ、無邪気な夢を追いながら過ごす私である。